2020年01月14日

公開終了した動画の話

2020年になりました。
って言っても年なんて関係無いし、今が何年なのかもどうでもいいですけどね。
それでも去る2019年は、方々の親戚から結婚したとか子どもが産まれたとかめでたい話を聞き、私も難聴10周年と、いろいろとアニバーサリーな年になりました。
良いんだか悪いんだか謎な物も混ざってますが。





さて、この前に「動画の公開を辞めた理由」と題して話をした時がありましたが。
後になってあれは正確な表現では無かったと思いました。
ちゃんと言うと、「自作曲の動画を作らなくなった理由」ですね。
なので改めて今回は動画の公開を辞めた話をしようと思います。

それは私がやってきたカヴァー曲の物です。
ウェブサイトでもブログでも、公開を終了すると言うだけで理由を話していませんでしたね。
これ、某SNSを使っていた時の話なので、そこにしか書いて無かったんです。
もう何年も前の話だし、今更どうでも良いとも思いますが一応残しておきましょう。
何も言わないままなのも良くないとも思いますし、まあ説明責任が発生するほどの事案でもありませんけど。





公開をやめた理由のひとつは、人の作品を使うのはあまり良い事に思えないからです。
やっぱり自作の物を出して行くべきだろうと。
でもそれだけではコンテンツが少なくて盛り上がらない。
手っ取り早く何かネタを出そうと思ったら、既存の作品に頼るのは有効な手段ですよね。
世に出回ってる素晴らしい作品から勉強させてもらう物もあるし、同じ作品を好きな人同士で盛り上がれる、それはそれで良い事だと思います。
それに、人の物を何かするのが芸の人もいますよね、歌ってみたの人とか、アレンジしてみたの人とか、ものまね芸人とか。
だからひとつのコンテンツとしてありではあるんですが。
でも私は「全部自分でやる」のが活動の柱のひとつなので、そればっかりやってるのはやっぱり違う。

それに本人に何の断りも無く作品を使わせてもらう事に少し申し訳ない気持ちもあった。
ニコニコ動画をはじめ、ウェブサイトによっては商用音楽を演奏したり歌う事を許可する約束を管理団体としているとは言ってもね。
なによりこの制度自体もいつ改定されるかわからないし。
知らない間に「これNGにします」となって、「あなた規約違反だからペナルティね」とか言われても困りますよね。





そう、もうひとつはこの著作権の事です。

ちょっと前には著作権の管理団体が音楽教室からも使用料を取るようにするって話もあった。
持っている権利の恩恵を得るのはおかしな事ではないけれど、それでも個人的にはこれは気分の良い話では無かった。
教育は国の将来のためのもっとも重要な物です。
その教育を受けにくくなるような事をするなんて、感心できません。
横行する違法コピーについて、「このままでは音楽ビジネスの将来は破壊されます」みたいな事を言っていたくせに、その将来の芽を自ら摘むような真似でしょう。

もっとも、演奏権は正当な権利なので、徴収するのはまったくおかしくは無いけれど。
私たちも生放送とか何か配信する時に音楽を使う場合は申請をしないといけないし、そこまでやってられない時は著作権フリーの音源を用意したり、気を遣ってます。
さらに、有名ミュージシャンがコンサートで自分の曲を演奏するにしても、ちゃんと申請しています。
自分のコンサートで自分の曲を自分で演奏するのに自分で使用料払うというのも妙な感じですが。

例えば、駅前とかで歌ってる人たくさんいますけど、テレビとかでさんざんかかってる誰かの曲を演奏したり歌ってる人も多いですよね?
あれ、申請無しで無断で歌っていたら、管理団体がやってきて「無断だからどうのこうの」って追い込まれても何も言えません、無断で歌っている方にまったく正当性はありません。
実際にそんなカツアゲみたい真似は無いでしょうけどね、極端な話だけどありえない事ではないんです。

でもそんな事されたら、音楽やろうって人いなくなっちゃいますよね。
気軽にできるからやってる人がほとんどでしょう、中学生でコピーバンドやろうなんてムリになっちゃう。
そしたら譜面も楽器も売れない、音楽に興味すら持たなくなるかもね。
この前行った楽器屋さんで話してたら、もうどんどん厳しい状況になってるそうですよ。
それもあってか楽器買うと凄い感謝されますよね。
野球人口が減ったとか若者のクルマ離れってしょっちゅう聞きますが、こういう物って環境がそう追いやるんです。
音楽も同じでしょう、このままだと買う人もやる人もいなくなりそう。

そんなわけで、著作権って言ってどこまで踏み込んでくるのかがわからないのが嫌なんですよ。
実際にそこまで来るかって所まで来たわけです、音楽教室には。
だったらこれ以上もありえますよね?
駅前にカツアゲに来るのが「ありえるけど冗談」では無くなる事に何の不思議があるでしょう?
でももしもこういう事を本気でやりはじめたら、音楽の未来は教育の質の低下と文化の衰退しかないでしょう。





他にはこの前も話した、ネット上の俗に言う「民度の低さ」ですね。
ルールもマナーも知ったこっちゃない、捕まらなきゃ何しても良いとばかりの無法地帯、それを正当化させようとする身勝手で横柄な態度。
それは違法コピーとかに限りません、SNSとか掲示板にしてもそうです。
ネットスラングじゃ無くても酷すぎる、文章書けないんじゃあるまいかってくらい打ち間違いとか言葉の選び方とかがめちゃくちゃ、人に話すならちゃんと書こうって思わないんでしょうか?
そういう人相手にしたくありませんから。





私が人の曲を演奏して歌わせた動画の公開を終了したのが2012年でした。
音楽教室からも使用料徴収の話が出たのは、2018年くらいですね。
良かった事がだめになりました、5年以上経って危惧していた通りの事が始まりました。
だったらこの先も、この前まで良かった物がひっくり返る可能性なんていくらでもある。
そうして見てきた数年、いつまで経ってもネットでは平行線の罵り合いばっかり見るし。

あらゆる環境を見て考えていたら、なんか面倒になっちゃった。
だから、辞めました。
2012年頃にそう思ったのに、今もまったく同じ気持ちで書いているあたり、人の進歩の無さに呆れる。

あまりにも不愉快なので過去に作った歌わせてみた動画はあの時に全部サイトから削除しました。
公開終了どころじゃありません。
私のPCにも残ってないかもしれません、もう公開する事も無いので確認すらしていません。
権利者にしても利用者にしてもこんな事ばっかりやってると、みんなの表現の自由とか活動の場ががどんどん窮屈になっちゃうよ。
あなたの好きなボカロPとか歌い手さんが、みんな私みたいになっちゃっても良いんですか?
posted by ゆう at 17:23| 雑記